あの日にもらった、あの選手の言葉が、いまも背中を押してくれる――。
上野海森さん(18)は、兵庫県尼崎市の園田学園女子大の1年生。寮生活をしながらソフトボール部で汗を流す。2020年春。福岡市の福岡大付属若葉高校3年だった海森さんは、父や兄を相手に自主練習をしていた時、インターハイの中止をニュースで知った。その夜、一人になって初めて泣いた。
当時、新型コロナウイルスが国内で猛威をふるい始めていた。福岡でも緊急事態宣言が出され、学校は休校に。高校最後の年は小学1年から始めたソフトボールの集大成になるはずだったのに、公式大会がすべて中止になった。修学旅行など学校行事もほぼ消えた。
失意に暮れた3年生のもとに届いたのが、ソフトボール日本代表の上野由岐子さんからの色紙だった。同校ソフトボール部OGだ。海森さんは上野選手にあこがれて同校を選んでいた。
表には一人一人の名前に「頑張れ」を添えて、裏にも言葉がつづられていた。
《ひとにはできることと で…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル