桑原紀彦
高校時代に大学の授業を履修して単位を得て、その大学に入学した学生について、文部科学省は、4年間在籍しなくても前倒しで卒業できるように制度改正する方針を固めた。
文科省によると、2018年度時点で、高校生を対象に通常授業の履修機会を提供している大学は全体の約28%(211校)。各大学が単位を付与する「科目等履修生」として学ぶ高校生は約1500人いた。
現行制度では、高校時代に得た大学の単位は、その大学に入れば単位としてカウントされるものの、卒業に必要な残りの単位を取得するのに最低でも4年かけなければならない。
文科省は今年度中に省令を改正して、来年度からは卒業に必要な単位を早期に取得できるようにし、各大学が学則を変更すれば、4年間在籍せずとも前倒しで卒業できるようにする方針だ。学則変更について文科省は「個々の大学の判断になる」としている。
政府の教育再生実行会議は今年6月に決定した第12次提言で、高校生が大学の授業を履修し、その大学に入学した場合に修業年限を柔軟化する制度改正を求めていた。(桑原紀彦)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル