伊木緑、増山祐史、藤野隆晃
東京オリンピック(五輪)のメイン会場である国立競技場の向かい側。ラーメン店の「ホープ軒」(東京都渋谷区)は、1975年にいまの場所に店を開いて以来、年中無休・24時間営業を続けてきた。五輪が変えた風景と変わらぬ日常。4日朝からのまる一日を追った。
午前6時過ぎ。
個人タクシー運転手の山吹昇さん(62)が券売機の「もやしラーメン」を押した。「こってりしているけど、脂っこすぎない。無性に食べたくなる味なんだよ」。38年間、週に1度は欠かさず朝食にしてきた。タクシー仲間が多かった店に工事の作業員が目立つようになったのは、2015年に競技場の建て替えが始まったころからだという。「五輪が始まったらどれほど盛り上がるんだろうって、みんな期待を抱いてたよね」。でもコロナ禍もあって売り上げはさっぱり。「もっと忙しい夏になるはずだったのに」
午前9時過ぎ。
競技場で陸上が始まった。ア…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル