小林祝子
多くの埼玉県民に親しまれた県営さいたま水上公園(上尾市日の出2丁目)のプールが今夏、半世紀にわたる歴史に幕を下ろす。最後は歓声を響かせたい。関係者は新型コロナウイルスの感染対策を徹底して営業するつもりだったが、そこに「第5波」到来。公園を管理する県公園緑地協会には惜しむ声が寄せられている。
さいたま水上公園は1971年7月、県誕生100年を記念し、県内初の水上公園として開業した。7ヘクタールの敷地に七つの屋外プールを備え、ひと夏で80万人以上が訪れたこともある人気施設だった。近年は形の違う三つのプールと高さ10メートルのウォータースライダーで営業。7月末~8月末にオープンし、ここ数年は期間中5万~6万人が訪れていた。
5年ほど前から配水管など施設の老朽化を理由に営業終了が検討され、7月、今年度限りでの閉園が正式に決まった。新型コロナの影響で昨夏営業ができなかっただけに、今年は入場制限など感染対策をした上で最後の営業をする予定だった。ところが、7月半ば以降、県内でも感染者数が急増。「しらこばと」(越谷市)など他の水上公園とともに急きょ2年連続での営業中止となった。
県公園緑地協会には、閉園と営業終了が明らかになって以降、「昨年も行けなかったので最後にぜひ遊びたかった」「寂しい」などの声が多数寄せられているという。担当者も「園内に過去の写真を飾るなど、最後の年を記念して営業するつもりでいたので大変残念」と肩を落とした。
県によると、プールは今後取り壊し、別のスポーツ施設に生まれ変わらせる予定という。
事前購入のチケットは31日まで、購入した店で払い戻しを受けることができる。問い合わせ先は県公園緑地協会(048・640・1593)。(小林祝子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル