山岸玲
気象庁は11日、来週にかけて日本付近に前線が停滞し、広い範囲で大雨になる恐れがあるとして警戒を呼びかけた。九州では11日夜から、東日本や北日本でも13日以降、警戒が必要で、こまめに最新の気象情報を確認するよう求めている。お盆期間に交通網が乱れる可能性もある。
気象庁によると、11日夜時点で、前線が中国大陸から九州北部、四国にかけて延びる予想。その後はさらに東へ延び、長期間停滞する見通し。前線に向かって南から湿った空気が流れ込み続けて前線の活動が活発な状態が続く見込みだ。毎年のように災害が発生している梅雨末期に似た状況だという。
九州では11日夜から警報級の大雨となる可能性が高い。今月は台風9号と10号などの大雨で地盤が緩んでいる地域もあり、土砂災害への厳重な警戒が必要だという。13日以降は北日本や東日本も含めて広い範囲で大雨となる可能性がある。こうした状況は来週にかけて続きそうだ。
12日正午までの24時間雨量の予想は多いところで、九州北部200ミリ▽九州南部180ミリ▽四国120ミリなど。その後の24時間では、九州北部200~300ミリ▽九州南部と中国、東海100~200ミリ▽四国と近畿、北陸100~150ミリ。
前線の長期間の停滞による大雨は、真夏の8月に起きることも珍しくはない。2014年8月も記録的な大雨となり、広島市では積乱雲が同じ場所に次々と流れ込む「線状降水帯」による集中豪雨が発生。土砂災害が多発し、死者77人を出した。
気象庁予報課の岸本賢司・主任予報官は報道陣の取材に「交通網が大きく乱れる可能性もある。余裕を持った移動や帰省の計画を立て、いつも以上にこまめに最新の気象状況を確認してほしい。いつでも予定を変更できるようにしておくことも重要」と話した。(山岸玲)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル