ソフトクリーム総合メーカー最大手の「日世(にっせい)」(大阪府茨木市)が大阪国税局の税務調査で、平成29年までの約3年間で約10億円の申告漏れを指摘されていたことが6日、同社などへの取材で分かった。国税局は日世が製造マニュアルなどを提供する中国の子会社の所得が、実質的に日世の所得にあたると認定したとみられる。過少申告加算税を含む追徴税額は約2億円で既に全額納付した。
関係者によると、日世は中国の菓子製造の子会社に製造マニュアルなどを提供していたが、対価を受け取っていなかった。子会社が製造した商品は中国国内の別の子会社を通じて販売されており、国税局は、国内で計上すべき所得を海外に移したと判断した。
企業が海外子会社との取引を通じて利益を海外に移し、日本での納税額を減らすのを防ぐ「移転価格税制」に基づく措置。日世は「移転価格にあたらないとの認識だったが、指摘に従って修正申告した」としている。
日世は昭和22年創業。戦後、米軍が持ち込んだソフトクリームを、日本で初めて大阪・梅田の喫茶パーラーで販売した。ソフトクリームに関連する機器を製造し、国内トップシェアを誇る。平成30年の売り上げは約371億円。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース