権敬淑
お盆に迎えた先祖の霊を送り出す伝統行事「五山の送り火」が16日夜、京都市内であった。新型コロナウイルス対策のため、昨年に続いて今年も火床(ひどこ)(火をともす場所)の数を大幅に減らし、「大」などのおなじみの文字や図形は2年続けて見られなかった。
送り火は古都の夏を彩る風物詩。室町時代から江戸時代にかけて定着したとされる。市街地を囲む山々に「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の文字や図形を順々に浮かび上がらせる。
主催する京都五山送り火連合会によると、火床の数は昨年と同じく、大文字は本来の75カ所を6カ所に、他の文字や図形も53~108カ所を1、2カ所に減らした。作業する人たちの密集や見物客による混雑を避けるためだという。
小雨がぱらつく中、午後8時に同市左京区の山、如意ケ嶽(にょいがたけ)でまず「大文字」が点火され、同20分ごろに最後の「鳥居形」の二つの点がともった。人々はマスク姿で、山肌の赤い炎を静かに見つめていた。(権敬淑)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル