新型コロナウイルス感染者は愛知県で20日、1347人と過去最多(18日1227人)を更新し、3日連続で1千人を超えた。うち名古屋市も434人で過去最多となった。感染急拡大が止まらず、大村秀章知事は「緊急事態宣言」を出すよう政府に要請した。
今後の病床逼迫(ひっぱく)に備え、県は確保したとするコロナ専用病床1570床について、85%以上(重症用170床はすべて)を使える状況にするよう医療機関に要請する。宿泊療養施設にするホテルも複数追加する。
宣言要請の意向は18日に政府に伝えていたという。政府と調整し20日の正式要請となったと、大村氏が明かした。決定には国会などの手続きがあるため、宣言期間は27日ごろからになるとの見通しも示した。
宣言が決定すれば、県は感染状況と学校や自治体の実情に応じて夏休みを弾力的に延ばすことを認めるほか、部活動は平日4日まで、土日はやめるよう求める通知を出す考え。練習試合や合宿は自粛を求めるが、すでに決まっている各種大会などは感染対策をしたうえでの慎重な実施を認める方向だ。
ほかに県全域で、飲食店が午後8時までの営業時間短縮と酒類提供の終日自粛を求められるほか、大型商業施設などでの人数制限に取り組むことになる。まん延防止等重点措置の対象地域で実施する対応とほぼ変わらず、感染抑制への決め手を欠く状況に、大村氏は「人流を抑える法制度がないのは政府と国会の責任。五輪をやるならなぜワクチン接種を終わらせられなかったのか。接種開始が1カ月早ければこんなことにはならなかった」と批判した。
三重県も感染者388人で4日連続の過去最多更新。鈴木英敬知事が「この状況が続けばさらに厳しい措置の検討も必要」と述べ、まん延防止等重点措置の区域拡大や緊急事態宣言要請の可能性を示唆した。
「自宅療養者ゼロ」方針の岐阜県も4日連続で300人超の310人を確認。軽症者らの宿泊療養施設(1131床)が21日にも受け入れ可能数を超える恐れがあり、県と岐阜市の職員や看護師からなる自宅療養者支援チームを20日に発足させた。(岡本智、大滝哲彰、高木文子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル