関東大震災(1923年)の朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文送付を小池百合子都知事が5年連続で取りやめる意向を示したことに対し、式典の実行委員会は23日、知事あての抗議声明を都に出し、追悼文の送付を求めた。
声明では、追悼文を送らないことについて「朝鮮人虐殺の歴史的事実に向き合わず否定する姿勢なのか。歴史から目を背けることなく、二度と同じ過ちを繰り返さない態度を示すよう求める」と批判している。
式典は「朝鮮人が暴動を起こした」とのデマを信じた住民らに虐殺された朝鮮人らを追悼するため、1974年から毎年9月1日、日朝協会などが東京都墨田区の横網町公園の追悼碑前で開催。
歴代知事は追悼文を出し、小池氏も初当選直後の2016年は送付。17年からは「犠牲者すべてを対象とする法要で哀悼の意を示しており、個別の形は控える」と送っていない。今年も実行委が7月27日に送付を求めたが、都担当者から8月10日に送付しないとの回答があったという。(編集委員・北野隆一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル