本田大次郎
北海道旭川市で3月、中学2年生だった広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)が遺体で見つかり、市教育委員会の第三者委員会がいじめの有無などを調査している問題で、萩生田光一文部科学相は27日の閣議後会見で、児童生徒課長を市教委に派遣し、速やかに調査を進めるとともに、調査の進み具合を遺族に報告するよう指導したことを明らかにした。
広瀬さんの母親は18日、弁護士を通じ広瀬さんの実名を明かして手記を公表。手記では、広瀬さんは中1の時、深夜に先輩から呼び出されたり、「死にたい」と言い出したりするようになり、学校や市教委に何度も相談したが、いじめは認められなかったと説明。第三者委の調査について「今も違和感と疑問をぬぐい去れない」と記した。
この日の会見で萩生田文科相は母親の手記に触れ、「遺族の意向をうかがいながら調査を迅速かつ適切に進め、第三者委の中立性を担保しつつ、遺族の不安感や不信感を軽減させるため、遺族に進捗(しんちょく)状況をしっかりと報告するよう伝えた」と述べた。
これを受け、市教委は週明けにも黒蕨真一教育長らが記者会見を開き、調査の進み具合を説明するとしている。
第三者委は弁護士や臨床心理士らからなり、6月からいじめの有無や死亡との因果関係、当時の学校や市教委の対応などを調べている。(本田大次郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル