大阪府池田市の冨田裕樹・前市長(45)が、市議会の調査特別委員会(百条委員会)で虚偽の答弁をしたなどとして地方自治法違反や公職選挙法違反などの容疑で告発された問題について、大阪地検特捜部は14日、いずれも不起訴処分(嫌疑不十分)とし、発表した。
冨田氏は4月、公務用の市役所駐車場の無料定期券を後援者に使わせたとされる問題で「(定期券を)どこに保管しているか分からない」と証言したことなどが虚偽答弁にあたるとして、市議会から地方自治法違反の疑いで告発された。定期券を後援者に渡した行為も、公選法が禁じる寄付行為などにあたるとして市議らから告発されていた。
特捜部は、冨田氏の百条委での証言が記憶に反するとは認められず、定期券の貸与も利益供与とは認定できないと判断した。
冨田氏は取材に対し「当初より『記憶に基づいて証言しており、百条委員会における虚偽答弁はない』と申してきたが、それが証明された。今後、こうした印象操作や政局利用のための告発が、社会から生まれないことを望む」などとコメントした。
冨田氏は、家庭用サウナを市役所に持ち込むなどした問題をめぐって、今年2~3月、百条委で証人喚問を受けた。7月に辞職し、8月の市長選に立候補したが、落選した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル