垂直に近い壁が両サイドにそびえ立ち、大小の構造物が置かれた競技エリアを自転車で駆け上がって宙を舞う――。東京オリンピック(五輪)で脚光を浴びた自転車競技BMXフリースタイル・パーク。そのすそ野を広げるため、国内大会で新たに取り入れたのが最先端のICT(情報通信技術)だ。五輪での熱気を追い風に、新たなファンの獲得につなげたいという。
岡山城(岡山市)の近くで9月18~20日に開かれた全日本BMXフリースタイル選手権。東京五輪後に初めて開かれた日本一を決める年に1度の大会だ。五輪で5位に入賞した中村輪夢(りむ)選手(19)=京都=らも出場したが、コロナ下で無観客での開催となった。
パーク内には球形のカメラが3台置かれた。3メートルの壁よりも高い位置に1台。選手の控え場所の近くとジャンプ台の脇にも1台ずつ。それぞれが360度の全景をとらえ、会場にいるような仮想現実(VR)映像をオンラインでライブ配信した。
スマートフォンを専用ゴーグルにセットして映像をのぞけば、壁を駆け上がってくる選手の姿など、映像を通じてひと味違う迫力を味わえる。スマホを上に向ければ視界も動き、上空に飛び上がる選手を追うこともできる。控え場所近くのカメラを選べば、出番を待って談笑する選手の表情も見える。
この「REALIVE(リアライブ)360」という技術・サービスを提供したのはNTTスマートコネクト(大阪)。ライブや演劇での活用はあったが、スポーツ分野では初という。担当者は「実際は立ち入れない場所にカメラを置き、現実以上の臨場感を与えられる可能性がある」。今後、技名のテロップを加えるなど編集し、11月下旬ごろから新たにオンライン配信する予定だ。
女子エリートの部で優勝した内藤寧々選手(15)=神奈川=は、「かっこよさをいろんな人に知ってほしい。迫力があるスポーツなので、VRを自分でも体験してみたい」と歓迎する。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル