福岡県で8月20日、沖縄県で5月23日から続いていた新型コロナウイルスの緊急事態宣言が今月末で解除されることが決まった。熊本、宮崎、鹿児島の3県に出ていた「まん延防止等重点措置」も解除される。ただ福岡県などでは飲食店やイベントの制限が続き、日常が戻るのはまだ先になる。
福岡県は28日、緊急事態宣言が30日で解除される政府決定を受け、飲食店での酒の提供を時間制限付きで認める県独自の対策を決めた。営業時間の短縮要請は当面維持しつつ、感染再拡大の防止と対策緩和の両立をめざす。
服部誠太郎知事は、28日の県対策本部会議後の記者会見で、「ウィズコロナの状態で感染の再拡大を防がないといけない。県の措置でもう一踏ん張り頑張って感染を封じ込めたい」と強調。感染対策と飲食店などへの制限緩和を同時に進める両にらみの対応策に理解を求めた。
県は来月1日以降、県全域の飲食店に酒の提供を午後7時半、営業を8時までとするよう要請する。感染防止対策を示す県の認証マークを取得した飲食店は酒の提供を午後8時半、営業を9時まで認める。認証店は28日現在で3085店で、県内の飲食店の1割以下にとどまる。
県独自対策の期限は10月14日まで。百貨店などの大型商業施設を対象とする時短要請や入場制限は解除する。
県内では「第5波」の勢いが収まり、新規感染者数は20日に約2カ月ぶりに100人を切ると、28日は44人となった。それでも、病床使用率は27日時点で22・2%と「ステージ3」(感染急増)相当で、ワクチンの2回接種済みの人は53・9%にとどまる。服部氏は「『第5波』では急速、爆発的に感染が拡大した。感染を十分に低い水準まで抑え込まなければ、次の感染拡大の波があっという間に押し寄せる懸念がある」と表情を引き締めた。
沖縄県では、約4カ月続いた緊急事態宣言がようやく解除される。ただ、新規感染者数は人口比で全国最多の状態が続いており、県独自の対策に移行する。酒の提供は県内すべての飲食店に認めるが、感染対策を講じた県の認証店(約5千店)は午後8時まで、それ以外は午後7時までとする。営業終了は認証店が午後9時、それ以外は午後8時にするよう要請する。
玉城デニー知事は28日夜の会見で「再拡大を起こしてしまったら、いままでの努力が無駄になる。全面解除ではなく、段階的に行う必要がある」と述べた。県では春以降、深刻な感染状態が続き、4月12日に「まん延防止等重点措置」が適用され、5月23日に移行した緊急事態宣言は5度延長された。
宣言は解除されるが、直近1…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル