福冨旅史、松田史朗
広島市や朝日新聞社などは29日、市中心部(中区基町)に地上31階、地下1階(高さ約160メートル)の高層ビルを建てる計画を発表し、外観イメージも公表した。オフィスやホテル、店舗のほか、広島商工会議所が入り、広島で最大級のビルになる。県庁や商業施設などが並ぶ「紙屋町・八丁堀地区」の新たなビジネス拠点として、2022~23年度に着工し、27年度に完成予定だ。
広島商工会議所や店舗、駐車場などが入る低層部が南北に広がり、中層部にオフィス、高層部にはホテルが入る。外国人観光客の利用も見込んだ高級ホテルになる見通し。東西に延びる市道は残し、その上部をつなぐ形でビルを建設する。
入り口付近には、広島電鉄の路面電車が走る相生通りとつながるオープンスペースも整備。再開発地域にある老朽化した基町駐車場は廃止され、変電所棟や市営駐輪場棟も建設する。延べ床面積は約8万6600平方メートル。
原爆ドームに近い広島商工会議所が、基町駐車場と財産交換して高層ビルに入居。老朽化した商議所ビルは解体され、平和記念資料館側から原爆ドームを見た際、商議所ビルが背景に入り込む景観面の問題も解消できる。
高層ビルの建設予定地には1958年、朝日新聞広島支局(当時)が入る広島朝日ビルが開館。老朽化を理由に2010年に解体されて以降、駐車場として活用されてきた。
再開発を進めるのは広島市と本社のほかに、中国電力ネットワーク、朝日ビルディング、広島商工会議所の各地権者と都市再生機構。
都市再生機構の広報担当者は「早期実施に向け、関係者一丸となって着実に推進していきたい」と話した。(福冨旅史、松田史朗)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル