国吉美香
沖縄の米軍が発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」を含む水を普天間飛行場(宜野湾市)から下水に放出した問題で、市は29日、新たな水質調査結果を発表した。放出直後は高濃度のPFOSが検出されていたが、2週間後の調査では放出前の水準だった。市は、高濃度の検出は放出が影響した可能性があるとみている。
一方、米軍は30日、米軍独自の調査結果を踏まえ、市の調査で高濃度の値が出ていることについて「基地内で発生源の特定はできていない」との見解を示した。また、放出した水は低い濃度だったと改めて説明した。
米軍が放出したのは8月26日午前9時半ごろ。市は放出当日と9月9日の2回、飛行場内から外へ通じる下水道で採水し、水質を調査。1回目は、河川などの水質管理の目安(1リットルあたり50ナノグラム以下)を大きく上回る1リットルあたり670ナノグラムだった。しかし、9日には19ナノグラムと激減し、放出以前と同水準だったことが今回新たに判明した。
一方、米軍は30日、放出から19日後の9月14日のPFOSなどは計18ナノグラム(速報値)だったと独自調査の結果を発表。市の調査で高濃度が検出されていることには「特定のために地元をアシストしたい」とも言及した。
米軍の放水をめぐっては、飛行場内に残る水を、防衛省が約9200万円を負担し処分することを決めている。市によると、27日に作業を開始したと防衛省から連絡があった。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル