聞き手・山本悠理
いま「ジェネレーション・レフト」が脚光を浴びつつある。暴走する資本主義の変革や深刻化する気候危機への対応を求め、社会運動を繰り広げる若い世代を指したものだ。
若者の労働問題などを扱う雑誌「POSSE」は8月、「ジェネレーション・レフトの衝撃」という特集を組み、国内で気候対策や労働環境の改善に向けて尽力する若者たちの姿を追った。「ジェネレーション・レフト」は日本において、これからどう展開していくのか。その可能性について、同誌の渡辺寛人編集長に聞いた。
わたなべ・ひろと 1988年、神奈川県生まれ。雑誌「POSSE」編集長、ブラックバイトユニオン共同代表。2009年から学生ボランティアとしてNPO法人「POSSE」に参加、のち事務局長となる。共著に『闘わなければ社会は壊れる』など。
――8月に雑誌で「ジェネレーション・レフト」の特集を組みました。
コロナ禍前から、海外では若い世代を中心とした社会運動の盛り上がりが活発になってきていました。一方、日本では今の社会システムにどう適応していくかを考える傾向が強く、こうした中で若い世代の社会意識が高まるのか、私たちも考えていました。
日本にいま「ジェネレーション・レフト」の動きがあるかと言えば、そうではありません。ただ、若い世代に向けて今の社会に合わせる生き方ではなく、もっと違う想像力をかきたてるような社会運動の物語を提示していかなければという意識がありました。(1990年代後半以降に生まれた)Z世代の多くの人と対話を進める中で、今の社会に矛盾を感じてはいるものの、それをどう表現し説明して良いか分からないという状況を痛感したこともあり、「ジェネレーション・レフト」というムーブメントを紹介しようとなりました。
――ほぼ同時期、キア・ミルバーン氏の『ジェネレーション・レフト』の邦訳が刊行されました。こちらの翻訳作業にもPOSSEのメンバーが関わっています。
2019年に原書が出たあと…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル