人口2万人余りの山形県村山市に昨年秋、現役の慶応大生が移住した。今年春には早稲田大生も。地方はどこも人が、とりわけ若者がほしい。東京から約300キロ北の雪国に、なぜ呼び寄せることができたのか。
23日夜、村山市東部、大倉地域の静かな集落。ある民家の小屋が、暖色の明かりに照らされていた。家主の慶応大経済学部4年、末永玲於(れお)さん(22)が「オクトーバーフェス」を開いていた。飲食店開業をめざす宮城県七ケ宿町の地域おこし協力隊員、三須(みす)あかりさん(24)を招き、そば粉を使った料理「ガレット」を振る舞ってもらった。
参加者は10人余り。スパイス入りのお手製コーラ、たき火であぶるソーセージ……。初対面同士も多かったが、会話ははずんだ。
民家の名前は「B.BASE(ビードットベース)」。神奈川県から昨年移住した末永さんが今夏、築約50年の空き家を改修して立ち上げた、クリエーターの拠点施設だ。自宅も兼ねる。「最初のBは、ボヘミアンのB。流浪する芸術家が集まるベースです。クリエーターは紹介もありますが、自然と会うんです」
「コロナ、ヤバイです」を受け止めてくれた住民たち
末永さんは富山県砺波市出身。3年前までは村山市の名前も知らなかった。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル