川村さくら、榧場勇太
11日午前3時15分ごろ、北海道三笠市本町の道道岩見沢桂沢線で「運転中に車が穴に落ちた」と、運転していた会社員男性(26)から110番通報があった。道によると、穴は道路が陥没してできたもので深さ最大約6メートル、広さ縦約7メートル、横約7メートル。車は転落し、男性の20代の姉が骨盤骨折などの重傷、10代の妹と男性は軽傷を負った。
岩見沢署によると、事故発生前の11日午前3時ごろ、現場を通りかかった別の車の運転手から「道路が陥没している」と110番通報があり、警察官が現場に向かっていた。転落した車の男性は自力ではい上がり、後部座席の姉妹はまもなく救急隊員らに救助された。
男性は取材に「暗くて穴は見えなかった。落ちた瞬間は土砂崩れでも起きたのかと思った。もし、ほかの車も落ちてきていたら死んでいた。誰も死ななくてよかった」と話した。隣り合わせに座っていた姉と妹は、落下の衝撃で場所が入れ替わっていたという。
気象庁によると、三笠市に隣接する岩見沢市の9日夕からの24時間降水量は90ミリで、同市の11月としては観測史上最多だった。救助活動をした三笠消防署員は「穴のふちの土がぼろぼろ落ち、地盤がゆるんでいる感じがあった」と言う。
道路を管理する道建設部は11日夕、会見を開いた。陥没の原因は降水による可能性もあるとしつつ、現時点で土砂の流出が確認されていないことから、地下にもともと空間があったか、地盤が沈下して空間ができた可能性もあるという。
岩見沢桂沢線は1976年に道道に指定され、84年に改良工事が行われた。陥没した場所の付近では7~8年前に舗装の補修工事が行われた。これまで同線のほかの場所で陥没は確認されていないという。
事故を受け、現場から西に2・5キロの区間が通行止めになった。付近の地盤がゆるんでいるため、重機を入れると再び陥没する危険があり、車両の引き上げや埋め戻しのめどは立っていないという。(川村さくら、榧場勇太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル