津田六平
新潟市の中学1年だった横田めぐみさん(当時13)が北朝鮮に拉致されて15日で44年になるのに合わせ、母の早紀江さん(85)が記者会見し、子どもを返してと言い続ける日が40年以上にわたることに触れ、「本当に耐えられない」と訴えた。
早紀江さんは会見で、めぐみさんが小学6年のときの書き初めを紹介。とめ、はねに納得するまで繰り返し書いていたと明かして「年末が近くなると、そんな一所懸命だった娘の姿を思い出す」と懐かしんだ。
旅先でペンダントをハンドメイドするなど、もの作りが好きだったことにも触れ、「日本にいたら、どんな仕事をしていたのかと考えてしまう」と話した。めぐみさんは10月、57歳の誕生日を迎えた。
夫の滋さんを昨年亡くした。早紀江さんも最近、食欲がなく疲れやすくなった。残された時間は少ないと話し「子どもを返して、と言い続ける毎日はたまらない」と吐露した。拉致問題に進展が見えない現状については「政府がやり抜かないといけないことなのに、何も動かない」と憤った。
一方、拉致被害者の家族や支援者らは13日、東京都で集会を開催。岸田文雄首相が出席し「私の手で必ず解決しなければならない」と決意を述べた。早紀江さんも参加し「(めぐみさんを)13年間しか育ててあげられなかったことが悔しい。1人の母として、もう恥も外聞もない」と声を震わせながら支援を訴えた。
政府が拉致被害者と認定するのは17人。うち5人が2002年に帰国して以降は、めぐみさんら12人は帰ってこられていない。(津田六平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル