波多野陽
原子力規制委員会は18日、北陸電力が再稼働を目指す志賀原発2号機(石川県志賀町)の敷地内で、断層の活動性を調べる現地調査を行った。適合性審査の一環で、敷地内に活断層はないとする北陸電の主張を見極める。
規制委の石渡明委員らが、北陸電が事前に掘ったトレンチ(溝)の断面などで断層や周囲の地層を観察した。北陸電が地中の鉱物脈を得るために行ったボーリング調査の資料なども確認した。19日には敷地外の断層も調査する。石渡氏は「紙やスクリーンで見たものとはやはり印象が違う部分があった。百聞は一見にしかずだった」と話した。
同原発を巡っては、規制委の有識者会合が2015年、敷地内の断層が活断層である可能性が否定できないとの結論をまとめた。北陸電は、断層が動いたかどうかを判断する別の手法のデータを提出し、「活断層ではない」と主張。審査と運転停止が長引いている。
規制委は有識者会合の報告書を「重要な知見」として扱うと決めているが、北陸電が提出したデータの手法も評価手法に採り入れている。
石渡氏「有識者会合、データ足りない認識あった」
また石渡氏は、有識者会合の結論が、建設時に地層の断面を描いた古いスケッチに基づいている点に言及。「私も含めて有識者はデータが足りないと認識した上であのような評価をした。さらに、こういうデータを出したら良いと有識者が評価書で書いた手法で、北陸電力がその方向でデータを出した」と語った。今後の審査について「元の有識者を集める必要があるかどうかは、規制委員の5人で決めれば良いと思っている」と話した。(波多野陽)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル