「今日だ、とにかく行け」。亡き父が夢に出てきて、そう告げた。
2009年10月。北海道帯広市の英語学校経営、浦島久さん(68)は夜明け前の暗い中、車を走らせた。向かったのは40キロほど離れた十勝地方南東部に位置する豊頃町の十勝川河川敷だった。
広々とした牧草地。日の出が近づき、空や雲が紫やオレンジ色のグラデーションをつくっていく。そして、ぽつんと立つ大きな木のシルエットがはっきりとしてきた。台風通過による前日からの雨でできた水たまりに、木と空が鏡映しになっていた。無我夢中でシャッターを切った。
このときの1枚が、浦島さんの人生を大きく変えた。
その「ハルニレの木」は推定…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル