「男らしさ」「女らしさ」についての意識を八つの質問によって数値で示す方法を、九州大の室賀貴穂講師(労働経済学)が開発した。女性の幸せやキャリアなどに関する問いに共感するかどうかを4段階で答え、点数化。回答者がどのくらい保守的な考え方であるかがわかるという。
女性の社会進出の妨げになっている潜在的な価値観に光をあてるのがねらいで、「結婚相手探しに苦労するため、女性は東大へ進学すべきでない」といった質問を入れたのが特徴。伝統的な性別役割分担や家父長制などの意識をみる質問も加えた。「とてもそう思う」が1点、「全くそう思わない」が4点で32点満点。合計点が低いほど保守的な考え方であることを示す。
昨年3月、調査会社に登録した全国の男女約2400人を対象に調べたところ、平均は男性が14・73点、女性16・01点で、統計的に意味のある差がついた。男女差はどの質問でもみられ、男性では40~50代と30代でも差がついた。セクハラや性被害の撲滅を訴える「#MeToo」運動やフェミニズムへの共感度が高いほど合計点が高くなる相関関係も確認できた。意識を測る指標として適切と結論づけ、米国の社会学会の専門誌に今月発表した。
室賀さんは「この指標を使って自分の意識に気づき、話し合うきっかけにしてほしい。意識の変革で、チャレンジしたいと考えている女性が自由に羽ばたける社会になってほしい」と話している。(安田朋起)
男らしさ、女らしさの意識を測る八つの問い
①女性の幸せは、結婚して子ど…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル