日航機墜落事故から34年がたった12日、現場となった御巣鷹(おすたか)の尾根(群馬県上野村)で遺族らが慰霊登山をして、520人の犠牲者を悼んだ。事故後に生まれた若い世代に付き添われながら、標高1500メートル超の険しい山道を登る80歳を超えた高齢の遺族の姿もあった。日本航空によると、80家族の計276人が参加したという。
宝塚歌劇団出身の女優だった長女由美子さん(当時24)を亡くした吉田公子さん(85)は「この時期になると、最後に別れた時の娘の笑顔を思い出す。事故を教訓に、安心して暮らせる世の中になってほしい」と話した。
夜には現場のふもとにある「慰霊の園」で追悼式典があり、犠牲者の数と同じ520本のロウソクに灯がともる中、墜落した時刻と同じ午後6時56分に遺族らが黙禱(もくとう)を捧げた。
昨年は日航の副操縦士(当時)の逮捕に端を発したパイロットの飲酒問題が起きた。墜落現場で献花した日航の赤坂祐二社長は「痛恨の不祥事だった。今年はその点に対するおわび、申し訳ないという一心で登ってきた。なんとしてもこの問題を克服しなければならない」と陳謝した。(丹野宗丈、山崎輝史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル