堀川勝元
近畿日本鉄道は25日、特急列車の扉が約1センチ開いたまま最大約3・7キロ走行する事案があり、運輸安全委員会から「重大インシデント」に認定されたと発表した。けが人はなかったが、隙間に手を入れて意図的に力を加えれば扉が開く状態で、乗客の転落につながる恐れがあったとしている。
同社によると、23日午後6時50分ごろ、三重県朝日町の伊勢朝日駅付近を走行中の近鉄名古屋発大阪難波行きの特急(6両編成、乗客127人)で、最後尾車両の左側の扉が空いているのを巡回中の車掌が発見。停車させ、扉を施錠して近鉄四日市駅まで走行した。
二つ折りで開閉する「折り戸」と呼ばれる扉で、右上端部で開閉する力を伝える金属部品の溶接部が破断していた。18年前に扉を取り換えた際の溶接が不十分だった可能性があるという。約3分前に桑名駅を出発する際は異常はなかったという。(堀川勝元)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル