原口晋也
長崎県川棚町で県などが進める石木ダム建設事業を止めようと、全国から集まった支援者約230人が25日、水没予定地の川原(こうばる)地区に「人間の鎖」を築いた。国の事業採択から46年。県は9月に本体着工に踏み切ったが、地区の13世帯は立ち退きを拒み、現場で緊張が高まっている。
県は2019年、家屋を強制的に撤去できる土地収用法上の権限を得た。今夏、住民との協議が不調に終わると、本体の工事を開始。人間の鎖は、住民を後押ししようと支援者らが企画した。
住民の炭谷猛町議(71)は「50年ダムができなかったという事実が、(治水・利水両面で)ダムは必要ないということを証明している。傲慢(ごうまん)な長崎県に抗議をしよう」とあいさつ。嘉田由紀子氏ら国会議員や、八ツ場(やんば)ダム(群馬県)や川辺川ダム(熊本県)に反対してきた人たちも駆けつけた。水没予定地の田畑を囲むようにリボンを介して手をつなぎ、「清流を子どもたちに手渡したい」「集落を水の底には沈めません」と連呼した。(原口晋也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル