国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で中止された企画展「表現の不自由展・その後」に展示されていた慰安婦を表現した少女像を、スペインの実業家が購入したとロイター通信が14日報じた。検閲で展示に至らなかった世界各地の芸術作品とともに、来年にも同国北東部バルセロナで展示する計画だという。
同通信によると、購入したのは映像関連企業を共同経営するタチョ・ベネト氏。ベネト氏は同通信の電話インタビューに、少女像を先週購入したと明かした。1年半ほど前から「政治、倫理、道徳、あるいは性的理由」で展示されなかった芸術作品の収集を始め、これまで約60点を集めたという。中には、米国のトランプ大統領を風刺した絵や、スペインのカタルーニャ自治州の独立運動指導者の写真などが含まれる。
ベネト氏は来年にも、バルセロナに「自由ミュージアム」を開く計画で、少女像とともにこうした作品を公開する計画だ。ベネト氏は同通信に「芸術界における検閲というテーマで常設展をしたり、資料センターを作ったりするだけの十分な材料を集められたと思う」と語っている。(パリ=疋田多揚)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル