米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、設計変更を不承認とした県に対し、防衛省が国土交通相への不服審査請求で主張している内容が14日、関係者への取材でわかった。県の判断について「法令の趣旨や目的を逸脱して埋め立て事業を阻止する目的があることは明らか」「行政権の著しい乱用で極めて重大な違法」と反論している。
埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事のため、防衛省は昨年4月に設計変更申請を県に提出。県は今年11月25日に申請を不承認とし、防衛省は国交相に不服審査請求した。防衛省は審査請求の内容を公表していない。
県は不承認の理由として、軟弱地盤に関連して重要な地点で調査が行われていないと指摘している。これに対して防衛省は、有識者会議「技術検討会」の意見などをもとに、指摘されている地点の調査がなくても、周辺3地点の調査結果で安全性は確保されていると反論している。
県は、ジュゴンに及ぼす影響について適切に情報が収集されていないなど環境保全対策が十分に行われていないことも不承認の理由に挙げた。防衛省は「適切な環境保全措置を示している」として、不承認の理由にはあたらないとの見解を示している。
防衛省は、県の審査が標準処理期間を超えているとして「殊更に処分を遅延させているとしかみえず、法令の趣旨・目的にのっとったものとはいえない」とも批判している。
行政不服審査請求は、本来は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル