昨年9月にあった福井県高校演劇祭で、福井農林高の劇だけが地元ケーブルテレビで放送されなかった。劇は原発が題材で、せりふに差別的表現が入っていた。部員の一人が取材に応じ、「劇は見られて初めて劇になる。見てもらえず悔しい」と胸中を明かした。
昨年の演劇祭は新型コロナ対策で無観客開催になった。福井ケーブルテレビが取材し、例年ならば12月に全校分を放送する。
農林高の劇の題名は「明日のハナコ」。女子生徒2人の掛け合いで進み、多くの原発がある福井の歴史と2人の生き方を描く。
「劇が放映できないかもしれない」。取材に応じた部員によると、演劇祭の翌日、顧問の教員と脚本を書いた前顧問の玉村徹さん(60)が、学校で部員らにこう伝えた。部員は「そんなことになるとは全然思っていなかった。何でなんだと思った」と振り返る。涙を流す部員もいたという。
無観客で、保護者も見られな…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル