編集委員・大鹿靖明
現場へ! 再開発 都心「番町」で⑤
中断していた東京都千代田区・番町地区の「日本テレビ通り沿道まちづくり協議会」が2年ぶりに再開するにあたって、座長が交代した。超高層ビルの建設に慎重な明治大教授の山本俊哉(62)に代わって起用されたのは、東京都市大教授の明石達生(60)だった。
明石は東大卒業後、1984年、建設省(現国土交通省)に入省。再開発制度の立案に携わるとともに、横浜市の課長に出向し、自治体行政の現場経験もある。
日本テレビの超高層ビル計画に反対する「番町の町並みを守る会」は2020年、区が日テレの計画地に導入を検討している「再開発等促進区」制度を学ぼうと、官僚時代に同制度の立案にかかわった明石を招いて勉強会を開いた。再開発等促進区とは、土地の利用状況が大きく変わる地域で、公共施設を整備すれば高い建物ができるようにする仕組みだ。
反対派が講師に招いた明石に区が目をつけ、協議会の座長に据えた。「勉強会の様子を区の人が見ていて、それで私に声がかかったんです。単に高さだけの議論にせず、建設的な議論をしていきたい」と明石。協議会を再開する以上、前に進めたいと考えた。
再開後の21年3月に開かれた第8回協議会で、座長の明石は「番町地域は子供が増えたが、公共空地が少ない。子供にとってどうなのかが気になった」と切り出した。以降、議論は広場の有用性に焦点が移っていく。
日テレは15年に「番町の庭…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル