武沢昌英
ヤマト運輸(本社・東京)の北海道釧路市内の支店の元パート従業員の女性が、前任地で別の女性へのストーカー行為により書面警告を受けていた同僚の男性からストーカー行為を受けたのは会社の注意義務違反などとして、女性とその家族が同社に慰謝料など約1100万円の損害賠償を求める訴訟を釧路地裁に起こした。
訴訟の第1回口頭弁論が17日、同地裁であり、ヤマト運輸側は請求の棄却を求め、争う姿勢を示した。
訴状などによると、女性は2018年から同社の釧路市内の支店に勤務。19年以降、同僚男性に机の引き出しを開けられ食べ物を置かれたり、スマートフォンで動画を盗撮されたりしたとされる。
男性は20年11月、女性の自宅敷地内に複数回、無断侵入したとされる。12月下旬には無施錠だった自宅に侵入して女性の夫に取り押さえられ、住居侵入容疑で警察に逮捕、起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。同社は男性について「社内規定に従い厳正に処分した」という。
男性は同社の別の支店に勤務していた14年にも、別の同僚女性の自宅敷地内に無断で複数回入り、警察からストーカー規制法の書面警告を受けていた。女性の代理人弁護士は「ヤマト運輸は男性が前任地でのストーカー行為により書面警告を受けたことを知りながら、再発防止の対策を十分に講じず、再び同種事案が起きた」と主張。同社は取材に対し「係争中のためコメントは差し控える」と回答した。(武沢昌英)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル