東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議が27日開かれ、新規感染者数(1週間平均)が26日時点で1万467人と1週間前の2・3倍となったことが報告された。このままのペースが続けば、2月3日には1日あたり2万4千人の感染者が発生するとの推計も示された。
感染者の急増に伴い自宅療養者が約4万3千人と、前週の約1万5千人から急増していることも報告された。都はこうした状況を受け、自宅療養者自らが体調変化や生活上の悩みを電話相談できる24時間体制のセンターを新たに設置することを発表。300回線を準備するという。
歯止めのかからない感染拡大の状況について、国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は「さらに感染が拡大すれば社会機能の低下を余儀なくされる」と警告。重症化リスクが高いとされる65歳以上の新規感染者数(1週間平均)が前週と比べ約3倍に増加していることにも懸念を表明した。
医療機関が新型コロナの病床確保や発熱患者の対応をする一方で、ほかの救急医療などへのしわ寄せが強まっていることも報告された。
救急隊による5医療機関への受け入れ要請または選定開始から20分以上経過しても搬送先が決定しない事案の件数(1週間平均)は25日、245・9件まで上昇し過去最多を更新。整形外科や脳神経外科の患者で該当件数が増加しているとみられるという。
東京都医師会の猪口正孝副会長は「冬季は緊急対応を要する脳卒中・心筋梗塞(こうそく)などの救急受診が多い。患者の入院の受け入れが困難になっており、対策を講じる必要がある」と述べた。(関口佳代子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル