小野大輔
神戸大は4日、学生に暴言を繰り返したなどとして、40代の男性准教授2人をいずれも停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。
人事課によると、准教授の一人は昨年1月、ミーティングを無断欠席した学生を研究室に呼び出し「お前不可だぞ。ここでぶん殴ってやりたいとこなんだなあ。殺すぞ、こら」と怒鳴って椅子を蹴り飛ばした。
大学の調査で、10人以上の学生に対し「殺すぞ」「馬鹿」などの言動が確認されたという。准教授は「怒りで理性を失った」と説明しているという。
もう一人の准教授は2020年秋、研究室に属する学生に「幼稚すぎて指導するレベルに達していない」「君は完全にダメな人間や」などと人格を否定する発言を繰り返したという。
学生の相談を受けて研究科長が大学側のハラスメント防止対策本部に報告。大学のその後の調査で、この准教授をめぐって13年以降、10人以上の学生が研究科へアカデミック・ハラスメントの被害を相談していたことが判明した。
研究科は准教授にその都度注意したが、大学に報告はしていなかった。人事課は「隠匿とは認められないが、研究科の対応には疑問が残る」としている。
大学の調査では、研究室の複数の学生らから「ゼミは長時間にわたって理不尽な叱責(しっせき)が科される場所だった」との証言もあったという。
准教授は調査に対し「熱心に指導する中で、学生を追い込む形になってしまった」と説明しているという。
人事課は「ハラスメントに関する就業規則の順守を周知徹底し、再発防止に努める」とのコメントを出した。処分者の特定につながるとして、准教授の所属する学部・研究科は明らかにしていない。(小野大輔)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル