関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の火山灰対策が不十分だとして、福井、愛知など5府県の男女9人が国を相手取り、関電へ2基の運転停止命令を出すよう求めた訴訟の判決が10日、名古屋地裁であった。日置朋弘裁判長は原告の請求を退けた。
東京電力福島第一原発事故を教訓に導入された「バックフィット制度」をめぐる初の司法判断だった。この制度は既存の原発について、自然災害の影響などの新たな知見が得られた場合、電力会社に対策を義務づけるもの。新たな知見によるバックフィットの運用はこれまでに13件ある。
国の原子力規制委員会は2019年6月、いずれも関西電力の高浜、美浜、大飯の3原発計7基を対象にバックフィット命令を出した。今回の裁判は、このうち高浜3、4号機の停止を求めて起こされ、約180キロ西にある鳥取県の大山の噴火の可能性をどう見るかや、停止を命じないことが違法かどうかなどが争点だった。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル