大野晴香
医師ではないのに新型コロナウイルスのワクチン接種の問診をしたなどとして、医師法違反と有印公文書偽造・同行使、詐欺の罪に問われた元介護施設長の月舘静恵被告(70)の判決が11日、名古屋地裁であった。辛島明裁判長は「行為の責任や重大性にあまりに無自覚で分別を欠く」と述べ、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。
判決によると、月舘被告は2021年2月、医師免許証の写しを偽造。茨城県内の介護老人保健施設の施設長兼医師として入所者83人に接種前の聴診や問診をした。また給与約95万7千円を施設側からだまし取った。
判決によると、月舘被告は茨城県の臨時職員だった時、見えを張って同僚に「医師の経歴がある」とうそを言った。それが医師を探していた施設側の耳に入り、施設長就任を依頼されたという。辛島裁判長は「医師免許の信頼を害した。入所者に重大な健康被害を与える恐れがあったことも否定できない」と非難した。(大野晴香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル