感染者の規模としては過去最大となった新型コロナウイルス感染拡大の「第6波」は、北海道でもピークを過ぎたものの、なお高止まりしている。公表資料をもとに独自に分析してきた札幌医科大学の當瀬規嗣教授(細胞生理学)に、第6波の特徴と今後の見通しを聞いた。
とうせ・のりつぐ
1959年北海道赤平市生まれ、滝川市で育つ。北海道大学医学部卒業。北大医学部助手、米シンシナティ大学助教授などを経て98年から札幌医科大学医学部教授。2006~10年には同大医学部長を務めた。
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感染第4波は英国で見つかった変異株のアルファ株、第5波はインドで見つかったデルタ株が猛威を振るった。第5波が下火となった昨年10月、當瀬教授は「新たな変異株の侵入が次の波を引き起こす」と予測していた。その第6波は、南アフリカで確認されたオミクロン株によって引き起こされた。
オミクロン株は感染力が強いとされる。鼻やのど、口腔(こうくう)の粘膜に侵入し、肺には侵入しにくい性質がある。肺炎を起こしにくいため、当初は「かかっても軽症。かぜのようなもの」という風評が流れた。「しかし、それは甘い考えだった」と當瀬教授は言う。
當瀬教授によると、オミクロ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル