無理して学校に行かなくていいよ-。夏休み明けの子どもに学校以外の居場所を提供し、悩み相談に応じる動きは九州各地でも起きている。
福岡市のフリースクール「NPO法人みんなの学び館」は27日、急に学校に行けなくなった家庭の駆け込み場所を同市中央区の市民福祉プラザに設ける。
理事長で元小学校教諭の福永宅司さんが一人芝居を交え、「一人も見捨てない教育を」というテーマで講話。不登校経験のある高校生らが体験談を語るほか、保護者向けの相談会も行う。担当者は「保護者が気軽に悩みを打ち明けられる場をつくりたい。またほかのフリースクールの情報も伝えたい」と呼び掛けている。
熊本市教育委員会は昨年に引き続き、無料通信アプリLINE(ライン)による相談「ほっとLINE」を開設している。中高生を対象に9月1日までは毎日受け付けているほか、来年1月までの毎週日曜日などにも開設する。
昨年の相談は2週間で254件だったが、今年は19日の初日だけで100件を超えた。応答するのは年齢の近い大学生や臨床心理士。担当課は「耐えられないほどのストレスをため込む前に、少しずつでもはき出してほしい」。
文部科学省によると、昨年4~12月に児童生徒向けにSNSを使った相談事業を実施したのは全国30自治体。計1万1039件の利用があり、内訳は友人関係22%、学業・進路、いじめ問題がそれぞれ10%だった。厚生労働省による2018年度のSNSでの自殺対策相談には、2万2725件の相談が寄せられ、利用者の44%は未成年だったという。
子どもを信じ、待って
福岡県内のフリースクールがつながる「ふくおかフリースクールフレンドシップ協議会」の事務局、上村一隆さんの話 子どもが学校に行かなくなっても、大人は無理に追い立てず信じて待ってほしい。自宅にいることを否定せず、家庭の居心地を良くすることが重要だ。家庭に役割があり、笑いも時に小言もある。互いに気を使いすぎないそんな関係になると、自宅が退屈になり、自然と外に興味が向く。子どもに呼び掛ける報道もあるが、精神的に余裕がないとメッセージは断片的にしか届かない。周りの大人の支援がより大切になってくる。
西日本新聞社
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