昨夏の東京パラリンピック最終日。女子マラソンの道下美里さん(45)は、とびきりの笑顔で金メダル(視覚障害T12)を掲げました。身長144センチの小柄な体も、トレードマークの笑顔も、「意地っ張り」なのも、実は「お母さんゆずり」のようです。書店のバリバリの営業ウーマンだったという母親の思い出を、語ってもらいました。
両親は老舗書店を山口県下関市で経営して、母は営業担当でした。
支店も含めて一時は7店舗あって、平日は朝から晩まで仕事。いつ寝てるのかと思うくらい。
本店の上が自宅だったので、常に誰かいてくれたけど、小さな頃はやっぱり母にいて欲しくて「お母さんいつ帰ってくる?」「お母さんは?」って聞いてばかりいました。
営業成績が優秀で出版社からニュージーランド旅行に私と2人招待してもらったこともあります。
小学4年で私の右目が悪くなり始めました。
角膜の手術で私が入院した時は毎晩、店を夜8時に閉めてから車を1時間とばして夜食を届けてくれました。
名医がいると聞けば東京や名古屋へ何度も2人で行きました。
結局私の右目は見えなくなり、左目も25歳で悪くなりました。
家にこもって「見えなくなっ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル