幹細胞を使ったアンチエイジング医療を手がける「表参道ヘレネクリニック」(東京都港区)の男性院長(42)が、医師への給与約5千万円を経費だと仮装したとして、東京国税局から源泉所得税の徴収逃れを指摘されたことがわかった。約1億円の所得の申告漏れも指摘され、ともに修正申告したという。
関係者によると、同クリニックはタックスヘイブン(租税回避地)の英領バージン諸島にある2社に広告費名目で資金を支払い、この2社は業務委託費として2016~18年に計約5千万円をクリニックで働く医師2人に支出していた。
同国税局は、2社に実体はなく、源泉徴収が必要な給与の支払いを、その必要のない経費の支払いに仮装していたと判断。院長から重加算税を含め約2500万円を追徴したという。
また同国税局は、院長がシンガポールに設立した会社から受け取った給与や株式配当、同社の法人所得をめぐっても、税負担回避を防ぐ「タックスヘイブン対策税制」を適用するなどし、約1億円の申告漏れを指摘。所得税約5千万円を追徴したという。
ホームページなどによると、院長は13年にクリニックを設立。幹細胞を採取し、培養して体内に注入する自由診療などを手がけ、費用は120万~700万円という。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル