天守閣の瓦は落ち、足元の石垣も大きく崩れた。2度にわたる震度7の揺れが熊本城を直撃した熊本地震から14日で6年。城は新たな技術と工夫を重ね、少しずつ元の姿を取り戻しつつある。
桜が舞う4月初めの休日、熊本城は多くの人でにぎわっていた。「地震で崩れたんだね」。二の丸広場から天守閣に至る道中では、復旧のための足場が組まれたやぐらや、崩れた石垣が目に入る。だが、白黒のコントラストが美しい天守閣が眼前に迫ると、多くの人が歓声を上げ、しきりにカメラを向けていた。
2016年4月の熊本地震で、熊本城は大きな被害を受けた。全体の復旧は37年度までを見込む。中心にある大小の天守閣は先行して修繕を進め、昨春公開が始まった。いま城内で復興見学ルートに沿って歩くと、よみがえった建造物の姿と、地震の爪痕の両方を見ることができる。
石垣積み直しに膨大な作業
地震では、塀を含め33の建…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル