昨年11月に99歳で亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんは、出身地の徳島市で文学塾「寂聴塾」を続けていた。その塾生たち約20人が16日、市内のホテルで「寂聴さんを偲(しの)び、語る会」を開いた。思い出を語り、阿波踊りを踊って寂聴さんを送った。
寂聴さんは1981年1月、ふるさと徳島の文化の発展につなげようと、寂聴塾をはじめた。当時58歳。毎月、京都から足を運び、65人の塾生に文学や仏教のことを語った。文章の書き方も教えた。「寂聴連」という阿波踊りの連をつくり、塾生たちと踊った。
この日、会場には寂聴さんの写真や寂聴連の提灯(ちょうちん)が飾られた。黙禱(もくとう)のあと、塾生たちが1人ずつ、寂聴さんの本で好きな作品や印象深い言葉、エピソードを語った。
徳島市で中学の教員をしていた生長(おいさき)まちさん(68)は「本物を見なさい」という言葉が忘れられない。中学校の子どもたちに寂聴さんの言葉を聞かせてあげたいと思い、頼んだ。寂聴さんは忙しいなか引き受けてくれ、9年間で3回、中学校に来てくれた。「切に生きるという言葉も好き。心豊かに生きていきたい」と話した。
徳島市の那賀川眞理さん(6…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル