上月英興、安斎耕一、板倉大地
北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場で店舗が多数焼失した火災で、市消防局と福岡県警は20日、実況見分をした。残り火の確認に時間がかかるといい、鎮火は21日以降になるという。
捜査関係者によると、被災した関係者から「自分の店が出火元かもしれない」との相談も寄せられているといい、県警は火元や出火原因について慎重に調べを進める。
市消防局などによると、焼損被害は市場北側と東隣の新旦過横丁の40軒以上とみられ、南北に貫くアーケード街の北東側に集中。約1600平方メートルに及ぶという。
実況見分では、黒く焦げた木柱がわずかに残り、がれきで足の踏み場もほぼなくなった焼け跡で消防隊員らがメジャーで間口の幅を測り、上空からドローンで現場を撮影した。21日も続ける。
出火から1日以上が過ぎ、20日は立ち入り規制の範囲は縮小された。入れるようになった市場北側の入り口前は、「北九州の台所」の被災状況を心配する人たちであふれた。
市場内の戸根食肉に勤める木村豊治さん(72)は「屋根は抜け、何もかもがメチャクチャ。再開してほしいという声はありがたいが、自分たちで片付けるとなれば数カ月はかかる」と落胆した表情を浮かべた。(上月英興、安斎耕一、板倉大地)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル