川本裕司
米軍と自衛隊が共同使用する岩国基地(山口県岩国市)の騒音をめぐり、周辺住民らが被害の損害賠償と飛行差し止めを国に求める2次訴訟を起こす。2日、記者会見で明らかにした。米空母艦載機約60機の移駐などで騒音が悪化しているとし、法廷で改めて被害の実態を訴える。
今月末に原告募集の説明会を岩国市内で開き、年内に山口地裁岩国支部に提訴する意向。数百人規模の原告を見込んでいるという。
2009年に約650人が提訴し、21年に最高裁で控訴審判決が確定した1次訴訟では、過去の騒音被害の賠償(計7億3540万円)を国に命じた。
一方、艦載機が厚木基地(神奈川県)から移駐した17~18年以降の騒音の激化に応じた賠償は証拠不足を理由に認められず、夜間や早朝の飛行差し止めも退けられた。
岩国基地では、騒音対策として10年に滑走路が約1キロ沖合に移された一方、艦載機の移駐完了後、離着陸訓練や米本土からの戦闘機飛来の増加が指摘されている。岩国市が基地周辺5カ所で測定している騒音(70デシベル以上が5秒以上)は昨年度3万回を超え、滑走路の移設後で最も多かった。
2次訴訟準備会の三木健二世話人代表(81)は「騒音は年々ひどくなっている。裁判で我々の願いを届け、爆音を止めたい」と述べた。(川本裕司)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル