行政からの補助に頼らず、柔軟な運営をめざす病児保育施設「つむぎのおうち」が、埼玉県越谷市に誕生した。開設資金の一部はネット上の寄付であるクラウドファンディングで募った。「みんなでつくる病児保育」を掲げ、利用者のニーズをくみ取った保育に取り組んでいる。
「おはよう! アンパンマンのおもちゃであそぼ!」。つむぎのおうちの入り口で会社員の母親(44)と別れて泣いていた男児(2)に保育士が声をかける。男児はおもちゃを見つけると、すぐに泣きやみ、保育士と楽しそうに遊び始めた。
母親によると、男児は数日前から胃腸炎の症状があった。回復傾向にあるものの、保育園の集団生活にはまだ不安があったため、病児保育を利用することにしたという。母親は「仕事もあるので病児保育は助かる。1カ月に何日も仕事を休んでいたら、有休を使い果たしてしまうし、仕事も進まない。ここは専門のスタッフもいるので安心できる」と話す。
病児保育は、子どもが急に体調を崩したときに、看護師や保育士らが一時的に保育をする事業。仕事の都合などで自宅で看病するのが難しい保護者にとって、心強い存在だ。児童福祉法や子ども・子育て支援法に位置づけられ、自治体からの委託事業として運営する施設が多い。
おもちゃやミルク、オムツ…ほとんどが寄贈
しかし、つむぎのおうちは行…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル