無料で求人広告をインターネット上のサイトに掲載できると誘われ、契約後に高額な料金を請求される事例が各地の中小企業で相次いでいる。福岡県弁護士会によると、勧誘はコロナ禍で停滞していた経済活動が再開しつつある中、人手不足が深刻な医療や社会福祉の分野で増えている。
当初は無料で、契約更新後は有料化するからくりだが、勧誘時に詳しい説明をせず、契約者に無断で更新した上で、いきなり数十万円の料金の支払いを求めるケースが多い。
昨年2月、福岡市内の訪問看護会社に、求人広告の掲載費として約30万円の請求書が届いた。「契約延長」を求める内容で、応じない場合は民事訴訟による掲載料金の請求や、詐欺での刑事告訴をにおわせる文言が並んでいた。40代の女性経営者は「業者側がサイトに掲載している電話番号にかけてもつながらない」と途方に暮れた。
女性の会社は、約20人の看護師や理学療法士の多くを、ハローワークを通じて採用していた。しかし、新型コロナウイルスの拡大で、ハローワークを利用して職を探す人が激減。その上、感染リスクを恐れて、訪問看護は職場として敬遠されがちになった。
請求書が届く1カ月ほど前…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル