俳優の篠山輝信さん(38)が母で元歌手の南沙織さんの生まれ故郷・沖縄を題材に書いたシナリオ「島」が今年4月、新人シナリオコンクールの最高賞に選ばれました。30歳を過ぎたころに沖縄を訪れ、「大好きな島」の見え方が、現実とのギャップを知って大きく揺らいだと語ります。物語の中で、沖縄が自分に迫ってくる感覚や葛藤を東京で暮らす主人公に込めたという篠山さんに、いまの胸の内を聞きました。
しのやま・あきのぶ
俳優。1983年生まれ、東京都出身。舞台や映画のほか、バラエティー番組にも幅広く出演。日本シナリオ作家協会や映画演劇文化協会などが主催する2021年度の「新人シナリオコンクール」で、初めて書いたシナリオ「島」が最高賞にあたる入選作として選ばれた。父は写真家の篠山紀信、母は元歌手の南沙織。
――沖縄との関わりを教えてください。
「僕にとっては母の出身地であり、大好きな親戚がいる『ふるさと』、というのが始まりです。ちっちゃい頃、母の実家によく遊びにいきました。海はきれいだし、アメリカ文化も混ざった街並みは異国情緒があふれる。ステーキもおいしいし。東京にはないアメリカのファストフード店に連れて行ってもらって、めちゃくちゃ楽しかったのを覚えています」
記事の後半では、楽しくて大好きだった「ふるさと」の記憶が、いまの沖縄とつながっていく体験を明かします。自分のルーツと向き合う中で、物語を作らなければならない、と思うようになります。
懐かしい景色 揺さぶられる記憶
――親戚が住んでいたのはどんな所ですか。
「普天間飛行場のすぐそばで…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル