静岡県熱海市で昨年7月に発生した土石流災害を調べている市議会調査特別委員会(百条委員会)で12日、起点とされる盛り土があった土地の前・現所有者の証人尋問があった。前所有者は盛り土造成への関与を否定し、現所有者は盛り土の存在を知らなかったと主張した。
土石流発生後、2人が公の場で発言するのは初めて。
土石流は昨年7月3日に発生し、災害関連死を含む27人が死亡、1人が行方不明になっている。県は盛り土が被害を拡大させたとみている。
県や市によると、盛り土は前所有者が2007年に市に届け出た計画に基づいて造成された。ただ、盛り土の高さは計画の3倍超の約50メートル、土砂の量も約2倍の約7万立方メートル超で、防災対策も不十分だったとみられている。
盛り土を含む一帯の土地は、11年2月に現在の所有者に売却された。
前所有者はこの日の百条委で「(盛り土の)申請はしたが、(造成)行為者ではない。土地を貸していただけだ」と述べ、造成への関与を否定。崩落の危険性の認識についても「あの土地はもともと安定している。(土地売却後の)10年間安定していたことが証明している」と述べた。
この日は09~10年に盛り…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル