意見や疑問を口にしづらい。そんな職場は心の安全性が乏しいのかもしれません。個性を生かし、チームの力を発揮する土台になり得る概念として、「心理的安全性」が注目を集めています。モノを言える組織のために一歩を踏み出すと、どんな景色が広がるのでしょうか。
心理的安全性は、組織の中で対人関係のリスクにおびえることなく、意見や質問、違和感を気兼ねなく口にし、話し合える状態を指す。米グーグル社が生産性の高いチームの最大の要因に挙げ、パフォーマンスを高める処方箋(せん)として話題を呼んでいる。
データサイエンティストで起業家の石井遼介さんは心理的安全性に基づくチーム作りを提唱している。著書「心理的安全性のつくりかた」(日本能率協会マネジメントセンター)は13万部を発行、企業研修に引っ張りだこの存在だ。
石井さんは日本企業で働く6千人の意識を調べ、日本の組織に求められる心理的安全性の土台として、①話しやすさ②助け合い③挑戦④新奇歓迎、の4因子を見いだした。
そもそも①②がなければ③④は生まれづらい。ミスや失敗を報告したら叱るのではなく、報告自体を歓迎できるか。失敗を責めずに建設的な解決策を出し合えるか。管理職の役割は大きい。
「日本企業は部下に文句を言わせないことでマネジメントしてきましたが、従来の成功体験が通用しない時代。気づきや意見を言い合って、試行錯誤するのが成長の近道との考えが、徐々に定着しつつあります」
モノ言える職場のために、部下の立場からできることもある。
上司には提案よりもまずは相…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル