愛知県豊橋市で2020年に除草作業中の現場に乗用車で突っ込み、3人を死傷させたとして、殺人などの罪に問われた無職青野圭被告(28)=静岡県掛川市=の裁判員裁判の判決が3日、名古屋地裁岡崎支部であった。村瀬賢裕裁判長は「不特定多数の人に危害が及ぶおそれが高い、極めて危険で悪質な行為」と述べ、懲役20年(求刑懲役30年)を言い渡した。
被告が路上にいた被害者らを認識したまま車を衝突させたかどうかが争点だった。判決は「視界を遮るものはなく、(被告が患っていた)双極性障害の影響により認知機能が低下していたとは認められない」と指摘し、被告が被害者の存在を認識しながら車を走行させたと認定した。
殺意について、判決は「被告が強い殺意をもって車を意図的に衝突させたとまでは認められない」などとしつつ、人が死んでもかまわないとの「未必の殺意」があったと認めた。
判決によると青野被告は20年7月27日、豊橋市の県道を時速約130キロの車で走行。中央分離帯に衝突した後、交通整理をしていた警備員の夏目喜生さん(当時46)=愛知県田原市=をはね、死亡させた。近くで除草作業をしていた男性2人にも大けがを負わせた。
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亡くなった夏目さんは、高齢の母、結婚して2年足らずの妻(38)と3人で暮らしてきた。猛勉強をして警備の国家資格を取るなど、家族を支えるために懸命だった。妻と「子どもは2人は欲しいね」と話していた矢先に命を絶たれた。
「とても優しくて、ロマンチストな人でした」
公判で読み上げられた供述調書で、妻はそうしのんだ。
怒った姿は見たことがない…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル