手話の普及や理解を後押しする条例案が15日、東京都議会に提案される。超党派の議員で作るワーキングチーム(WT)が約7カ月間検討してきた「手話言語条例」案で、5会派と無所属を含め、126人全議員で条例案を共同提案する形をとる。全会一致で可決・成立する見通しだ。
WT座長の小宮安里議員が14日、都庁で会見を開き、条例案の詳細を説明した。議会局によると、全議員で共同提案するのは初めて。小宮議員は「大切なのは実効性が担保され、手話を使いやすい環境を整備すること」と話した。
全日本ろうあ連盟によると、手話言語条例は2013年10月の鳥取県を皮切りに、33道府県で成立している。区市町村を含めると、5月25日現在で計452の自治体にある。都内では16区が制定した。
条例案には、手話を必要とする幼児や児童、生徒が学校で手話を習得するための支援が盛り込まれた。条例制定を要望してきた都聴覚障害者連盟の越智大輔事務局長は「子どもたちが手話を言語として自然に身につける機会が増える。時間はかかったが、非常にうれしい」としている。
同WTは今後も議論を続け、聴覚障害者だけでなく、すべての障害者が意思疎通する機会の確保を進める「情報・コミュニケーション条例」の制定をめざすという。(小林太一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル