福岡県内で起きた市民襲撃事件など6事件で組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)などの罪に問われた特定危険指定暴力団・工藤会(北九州市)の理事長で、ナンバー3の菊地敬吾被告(49)に対する公判が16日、福岡地裁であった。検察側は「一般市民を襲撃する凶悪な犯罪に、首謀者や指示者として関与した」として無期懲役を求刑した。10月6日に弁護側の最終弁論が予定されている。
起訴状によると、菊地被告は同会トップで総裁の野村悟被告(75)、ナンバー2で会長の田上不美夫被告(66)らと共謀して2012~14年、北九州市や福岡市で起きた元警部銃撃事件、看護師刺傷事件など3事件に関与したほか、配下の組員に命じて12年、暴力団排除の標章を掲示する北九州市の飲食店やビルで、放火したり関係者を切りつけたりする事件を起こしたとされる。
検察側は、6事件はいずれも菊地被告が組長の工藤会の傘下組織組員が準備や実行に関与しており、「暴力団組織上の『親』として中心的な役割を果たしていた」と指摘した。20年12月の初公判で菊地被告は「身に覚えがありません」と起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル